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(1) 施設紹介
佐世保市以北のほぼ中央に位置し、平戸市、松浦市も含めた地域の唯一の救急二次病院です。許可病床数は、一般病床
197床、感染症2床、合計199床で、最先端の医療機器が昼夜常に予約なしで使用可能な態勢とあいまって、機動性に富んだ診療が可能となっています。県北部地域から佐世保市までの約半分の時間で到着できることから、救急疾患の救命例も増加し県北地区の地域支援病院としての重責を担っています。
施設の概要は、救急車専用のアプローチ、十分の広さを持つ救急救命室、その前のホールを取り囲むように放射線科(X線、MDCT、MRI)、生理検査室(ECG、UCG)、心血管造影室、心臓リハビリテーションセンターを配置し、エレベーターで2階の血液浄化センター、3階の急性期病棟45床、ICU 7床へ直結し、最短の動線で効率的な診療ができるようにしています。
循環器科スタッフを補助するコメディカルの教育に注力し、現在
超音波学会認定心臓超音波検査士2名 心臓リハビリテーション指導士7名で今後も増加予定です。
施設認定:日本循環器学会認定循環器専門医研修施設
(2)地理的要因・周辺の医療環境・人口構成を考慮した、当院の目指す医療
1)救急医療の充実
1年365日24時間の救急対応、ハード面の整備はもとより、ソフト面の充実にも注力しています。2005年より全職員対象の心肺蘇生教育を開始し、病院としての救急対応力を高めています。院内の急変対応だけでなく当院看護師による市中での救命例の新聞報道など、確実に成果をあげています。
また、心事故の90%は院外で発生することから、御家族をはじめ一般市民・学校・施設での救命講習にも注力し地域の救急対応能力の向上を目指しています。
さらに2006年には、地域災害拠点病院として県の要請により緊急災害派遣医療チーム(DMAT)を結成しました。毎年病院あげての災害対応訓練を実施して地域の大規模災害に備えるとともに、東日本大震災、熊本大震災の際にも当院DMATを派遣しました。
2)地域の健康寿命の延長
超高齢化時代を迎え、現在、女性の4人に1人が95才以上、男性の4人に1人が90才以上ですが、長寿日本一の長野県の医療費が全国最低である事からもわかるように、元気に齢を重ねる必要があります。
地域の医療資源にも限界があるため、極力自立して生活でき 入院・入所をしないですむように努めています。そのために2012年に心臓リハビリセンターを開設しました。多職種によるチーム医療を展開し、開設後約30%の心不全再入院の減少をみて成果をあげており、さらに地域の健康寿命の延長を試みたいと思います。
また、当院で可能な治療は当院で行い、更に高度な治療が必要な際は高次医療施設と密接に連携して、患者さんにとってベストな治療方針を選択しています。
(3) 部門紹介
心血管造影室

SIEMENS バイプレーンシステムArtis zee BC Large Display
心臓リハビリテーションセンター
心臓リハビリは、多職種がチームを組んで運動療法を中心とした肉体的・精神的機能回復、生活習慣改善(運動指導、食事指導、服薬指導、心理相談)を目指す、”多面的な心血管保護効果を有する心血管病の包括的治療法”で、心臓病の再発予防と生活の質の改善・長期予後の改善をもたらし、従来の薬物療法、観血的治療法に勝るとも劣らない先進的治療法として、近年その重要度が増しています。
当センターは認定施設基準1を取得し、月曜日から金曜日の13:30~15:30の間オープンし、退院後の外来心リハ希望の方も増加しています。
2013,2014年度は、2012年度と比較して約20~30%の心不全入院の減少をみており、その一因としての心リハの効果を実感しています。
設備概要:
CPX(心肺運動負荷試験):Strength Ergo 8 + 呼気ガス分析装置(Cpex-1)
運動負荷監視装置:ML-3600 (血圧・心電図8セット)、生態情報モニター:8人用心電図・呼吸テレメーター、エルゴメーター:BE-250 8台 BE-360 1台、レジスタンス負荷:マルチファンクション5X、52
incモニター:4台、オムロン活動量計:2台、救急カート・AED、ウォーターサーバー、体重計、スタッフカンファレンス室、ロッカールーム、トイレなど(下図参照)

心臓リハビリテーションセンター(アプローチと受付)

心臓リハビリテーション風景

左:心肺運動負荷試験(CPX) 右:カンファランス室

左:レジスタンス負荷(マルチファンクション5X) 右:多職種恊働カンファランス

コメディカルによる 左:集団指導 右:個別指導
(2014年度 現在)
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